スターツホテル開発株式会社
代表取締役社長大屋 了三

代表取締役社長 大屋了三

ホテル/旅館/宿

等身大で、そして決して悲観しない

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はじめに

顧客満足度の高さで定評のある「ホテル エミオン 東京ベイ」をはじめ、ホテル事業で着実に業績を伸ばしているスターツホテル開発株式会社。現在、スターツホテル開発株式会社などスターツグループのゆとり事業において3社の社長を務めるのは、国内外で数々のホテルマネジメントを経験してこられた大屋了三さん。40年におよぶホテル業界の立て役者として、人材育成への考え方や仕事と密接に関わるプライベートについてお伺いしました。

インタビュー

国内の需要に合わせた ホテル開発を

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

経営者として進めていることや、社内で大切にしていることを教えて下さい。

まずはきっちり業績を安定させ、社員や株主様に還元していくことです。ホテル事業は、非常に息の長い事業なので、良いときもあれば、悪いときもあります。そのときに備えて長期的なビジョンで先行投資をしていくことが大切です。

私は平成23年にスターツへ来てから、少しずつホテル事業を拡大してきました。平成25年に「沖縄ナハナ・ホテル&スパ」の経営承継を始め、これから千葉県流山市でのホテル建設、それともうひとつ、カンボジアのプノンペンにホテルを造っているところです。また、東京ディズニーリゾートR・パートナーホテル「ホテル エミオン 東京ベイ」(千葉県浦安市)の新館「エミオンスクエア」は、平成30年1月27日にオープンが決まっています。

この新館は、コンセプト作り、設計、建築とグループぐるみで一気通貫でやったホテルなので成功させたいですね。我々は、この場所で10年以上の経験があり、お客様に喜んで頂ける部屋のデザイン、レイアウトを常に考えてきました。他のホテルも増え、一時的に供給過剰にはなるかもしれませんが、長い目で見て勝算はあります。東京ディズニーリゾートR・パートナーホテルとしてのこれまでの経験、そして同じ経営資源で運営できるのが我々の強味です。

過去数年来、海外からのお客様の数は飛躍的に伸びていますし、国内の需要も堅調です。外国に比べると日本はまだまだホテルの数が少ないんですよ。今、世界最大のホテルチェーンはグループ全体で100万室あるんです。日本のホテルは全部合わせても100万室弱。日本には観光地も、ビジネスの拠点もあります。

まだまだホテルは足りていないので、成長の余力があると思っています。ITの発達で、今はスマートフォンでも簡単に予約できますからね。ホテルがいい商品を持ち、いい立地で、ホスピタリティマインドを持っている社員がいて、日本人ならではのきめ細かさを兼ね備えていれば、グローバル企業にも充分太刀打ちできるのではないでしょうか。

我々としては、ホテルは京都や大阪、福岡、札幌といった拠点都市に欲しいのですが、急速には増やしません。一つ一つ慎重に行なう考えです。我々がグループで行なっている不動産事業との相乗効果が出て、グループ全体が成長していくことが目標ですね。

社員のモチベーションを 顧客満足度の向上に

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

ホテルマネジメントで、どのようなことが大切だと考えていますか。

ホテルでは、顧客満足度が第一です。エミオンの顧客満足度は、旅行会社のサイトや世界的な口コミサイトなどで非常に高い評価を受けています。そのためには、従業員のモチベーションが大事。なかでも僕が一番気を付けたいのは、社員の健康です。例えば、二日酔いとか風邪だと笑顔なんて出ません。また、給料も大切です。社員の処遇をホテル業界のトップクラスにすることが社員のプライド、ひいては顧客満足度につながると思っています。

また、ホテルで大切なのは「コモンセンス」。常識と誤訳されがちですが「人間が本来備えているあたりまえの感性」と解釈するのがいいと思います。それを従業員が自然と身につけられる環境作りが大事だと。また、社員には自腹で旅行して、ホテルに泊まるように言っています。そこで経験した良いところ、悪いところは自然と仕事に活かせると思いますから。

好奇心のある社員を採用し、 自ら判断できる場を提供する

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

顧客満足度を高めるため、どのように人材を選び、育んでいますか。

先程申し上げた健康やコモンセンスも大切ですが、好奇心も重要です。この業界にいて、行ったことがない場所に旅行したい、未知の体験がしたい、美味しそうな物を食べたい、そういう好奇心があれば、自然とホスピタリティが備わってくるかと。採用面接では、その人がどれくらい好奇心旺盛かということも重視しています。

ホテル業は人で成り立っています。チームプレーヤーであることが大切です。「自分だけ良ければいい」というのはだめですよね。エミオンではパートも含めて200名位が働いていますが、中には外国人も含まれます。彼らを束ねるにはリーダーシップも必要です。その素養がある人たちを早めに見つけ、きちんと育てていかなければいけません。

リーダーシップを養うため、我が社ではまず、規模は小さくてもひとつの部門を任せるようにしています。そうすると、その場で決断する必要が生じるからです。例えば、お客様からクレームを頂いた場合であっても、咄嗟に自分で判断をして、実行しなければならない。ときには失敗することもありますが、それを経ていないと成長しません。様々な場面で判断を積んでいくと、「最終的に10億円の投資をやるかやらないか」にも行き着きます。このように、若いうちから自律的に働かせる環境を作ることは、すごく大事ですね。

上の立場としては、たとえ過ちがあったとしても、感情に任せて部下を怒ってはいけません。話を聞くときは、否定から入らない。社員が話をしなくなりますから。江戸時代の思想家「荻生徂徠(おぎゅう そらい)」は「人材を活用するための九か条」の中で「上にある者、下にある者と才智を争うべからず」としています。要するに、頭の良さや仕事のできを下の者と争うなということ。上司がやるべきことは、議論で部下を打ち負かすことではなく、なるべく部下から引き出して、いいところを見てあげなさいと。どんなに小さいことでも「よくやったじゃない」と声をかけて成功体験を積ませると、自信がつくわけです。

自分の得意なことで 会社に貢献を

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

ホテル業界へ入ったきっかけや、今までの経験から学んだことを教えて下さい。

実は、ホテル業界に全然興味はありませんでした。大学を卒業した当時、ものすごい不況で就職口があまりなかったんです。たまたま全日空にいた知り合いから、「全日空エンタプライズ」という系列会社ができたと聞き、そこがホテル事業も含めたレジャービジネスを開発するということで面白いと思いました。もともと、海外で仕事をしたいと思っていたことがきっかけでした。

僕が入社したときは、フィリピンのマニラにホテルを建設中で、その直後にシンガポールのホテルを買収しました。若かったけれども海外出張にも行かせてもらい、入社5年目でハワイに赴任になりました。日本人は僕一人という状況で米国の大手ホテルでの研修もさせてもらい、いろいろな人と一緒に仕事して楽しかったですよ。ホテルがだんだん好きになっていきましたね。

若い人はよく「自分探し」と言いますが、それだと自分がやりたいことは一生探せないのではないでしょうか。うちの会社では毎年新入社員に、「『自分は何をしたいのか』ではなく『会社はあなた方に何を期待していると思いますか』と逆の発想をしなさい。そうするうちに、自分のやりたいことが見つかっていく」と話してきました。

等身大で、そして決して悲観しない

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

過去に困難な状況があったときは、どのように乗り越えてこられましたか。

全日空ホテルグループが売却されたときは、非常に厳しい状況でした。グループ全体で3,000人以上の社員を抱える中、役員をやっていましたからね。これをどうやってうまく着地させるか。でも、なるようにしかならない。そうしたら、結果的になるようになりましたよ。分社化して、全日空ホテルとインターコンチネンタルホテルズのジョイントブランドで展開する会社を立ち上げたんです。

もうひとつは、スターツに入社した平成23年4月1日です。この年の3月11日、東日本大震災により東北地方に大きな被害をこうむってまだ間もない時期でした。このエミオンも、とても営業できる状態ではなかったんです。4月の客室稼働率は5%。5月は8%ぐらいで、ずっと赤字です。でも、考えてみたら他もそうでした。日本が危機的状況にある現実を受け止め、粛々と営業せざるを得ないと。

そうしているうちに、東北の被災者の方々が、たくさん来て下さったんです。これはもしかすると世の中に貢献しているかもしれない、と思い始めたら、8月ぐらいからぐっと数字が戻ってきたんです。それから後は、順調に来ました。

何が良かったかと言えば、僕は能天気なんです。あまり悲観的に考えないんですよ。アランというフランスの哲学者は「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」と言っています。気分が沈んでいるときは悲観的になりやすいし、その延長線上でずっと考えているとジレンマに陥って抜け出せないんです。でも、「こうやったら成功するかもしれない」と何らかのアイデアや意志を持つと楽観的な気持ちになれるし、勝算が生まれます。仕事では最悪のシナリオを考えなくてはいけないこともありますが、「なんとかなる、俺は運がいい」と思いながらずっとやっています。

小説から歴史を学び、 国内外の旅行を人生の一部に

スターツホテル開発株式会社 社長 大屋了三

プライベートの時間には何を楽しまれていますか。

本はたくさん読みます。昔は司馬遼太郎をよく読んでいましたが、ここ数年は吉村昭の本を読んでいます。吉村昭は史実に私情を交えずに忠実に描いた人で、小説だけでなくエッセイ集から全部持っていますよ。ひとつの作家が好きになると、全部読まないと気が済まないんです。そうすると、人となりにぐっと奥深くまで入っていくことができますから。

夫婦ではしょっちゅう色んなところに行って、泊まるようにしています。職業柄、勉強する機会はすごく多くあります。この前は鹿児島、奄美にある日本画家の「田中一村記念美術館」に行きました。前職のときにはカンヌ、フィレンツェと、海外にも行きました。世界中には様々なレベルのホテルがありますが、ホテルは料理がおいしくて、清潔なのが一番だと思います。

日本では、鹿児島の「城山観光ホテル」が好きです。創業から50年以上経ちますが、手入れが行き届いているし、地元の新鮮な食材がたくさん出てきます。特に朝食の美味しさはたぶん日本一だと思います。指宿温泉の「秀水園」も、素晴らしい旅館でした。

全国津々浦々行きましたし、とにかく旅行は大好き。僕にとって旅行は、欠くことのできない人生の一部です。

自分としては、今後持続的に会社が成長するために、若い人たちに頑張ってもらい、成長をサポートしたいと思っています。また、これまでのつたない経験を、次世代に伝えていけたらいいなと思います。

社名・役職などはインタビュー当時のものです。

インタビュー:2017年11月

経歴

昭和51年

早稲田大学政治経済学部卒業

全日空エンタプライズ株式会社入社

平成59年

同社 海外事業部

平成9年

海外ANAホテルの運営責任者

平成14年

沖縄 万座ビーチホテル 取締役総支配人

平成16年

東京全日空ホテル 常務取締役総支配人

平成18年

ANAホテルズ&リゾーツ株式会社取締役

インターコンチネンタルホテルズ(IHG)との合弁会社設立を担当

IHG・ANAホテルズグループジャパン 最高執行責任者

平成23年

スターツホテル開発株式会社 代表取締役社長(現在も継続)

平成24年

スターツリゾート株式会社 代表取締役社長(現在も継続)

平成25年

スターツ・ナハ・オペレーションズ株式会社 代表取締役社長(現在も継続)

平成27年

スターツコーポレーション株式会社 取締役(現在も継続)

スターツホテル開発株式会社

沖縄ナハナ・ホテル&スパ

「笑顔が象徴のホテルへ。」
訪れるすべてのゲストが笑顔いっぱいで楽しめるホテルでありますように…そんな想いを込めて私たちは皆様をお迎え致します。

ホテルエミオン 東京ベイ
〒279-0013
千葉県浦安市日の出1-1-1

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