株式会社テレビ神奈川
代表取締役社長中村 行宏

代表取締役社長 中村行宏

マスコミ/テレビ局

ゴールドラッシュの街で
地域密着型の番組を

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はじめに

横浜にある放送局として、神奈川県を中心に、関東一円の約2,000万人に個性豊かな番組を届けるテレビ神奈川。入社以来、営業や番組制作、報道記者など様々な経験を積んでこられた代表取締役の中村行宏さんに、地域密着型の番組作りを進める秘訣を伺いました。

インタビュー

ゴールドラッシュの街で 地域密着型の番組を

株式会社テレビ神奈川 社長 中村行宏

神奈川県を代表する放送局としてどのようなことを心がけていますか。

テレビ神奈川(tvk)は、放送免許上では神奈川県という限られたエリアでの県域放送地上波民放テレビ局です。関東一円に各局の電波が飛び交う中、東京のキー局さんと競わなくてはいけません。当然ながら体力もエリアも違いますが、いかに差別化した番組を作るかが一番の課題。神奈川県は、横浜・川崎・相模原と政令指定都市が3つもある県で、人口は916万人、406万世帯。その中で毎年50万人ぐらいが転出入で入れ替わり、新しい県民が生まれている状況です。地域密着型の番組によって、そういう方々にも神奈川を愛して欲しい、知って欲しいと思います。

横浜にあるテレビ局として、入社したときから「横浜らしい番組を作ろう」とずっと言われてきました。横浜は開港158年と、都市としての歴史は浅いですが、ゴールドラッシュの街だと思っています。明治維新で開港になり、全国から横浜で一旗揚げようという人が来て、大富豪になった人もいれば、絹の輸出で失敗して国に帰った人もいる。関東大震災や太平洋戦争で焼け野原になっても、また全国から人が入ってきて活性化しました。いつも新しいことをやって抜きん出て目立とうとする、あるいは一旗揚げようという野心があるのが横浜らしさと思っています。

新しいことに柔軟な放送局で 自分なりの道を開拓

株式会社テレビ神奈川 社長 中村行宏

入社した理由や今のご活躍につながるこれまでの経験 を教えて下さい。

学生のとき、テレビ局かラジオ局か、とにかく放送業界に行きたいと思っていました。卒業した昭和51年は、ちょうどオイルショックの後。就職難の時代だったのでキー局の採用はほとんどなく、NHKの採用枠も例年の半分。そのとき、テレビ神奈川だけが募集をしていて、応募したところ採用されました。僕は、東京生まれの東京育ちだったので、当時はテレビ神奈川というテレビ局があることもあまり知らなかった。開局も昭和47年、僕が大学に入った年でしたから。

でも、テレビ神奈川では当時「ヤング・インパルス」という音楽番組をやっていて、僕自身がフォークファンだったので、その番組を見ようと必死でチャンネルを合わせていたんです。当時のキー局にはあまり出演しないフォークシンガーが多く出演する番組で、井上陽水さんや荒井由実さんも出ていました。こうしたキー局とは全然違うことをやっているテレビ局が世の中にはあるんだと知り、こういうテレビ局だから、おもしろいことをできると思ったのが志望した動機です。

会社に入った最初の8年間は、横浜と大阪で営業に従事しました。その経験が一番体に染み付いていますね。入社して間もないとき、横浜の中小企業の社長さんや重役さんにアポイントを取って説明しに行くことを、自発的に行なっていたのがよかったのだと思っています。新人なので気おくれしてしまいがちですが、先輩には「テレビ局を代表して行くのだから尻込みすることはない」と言われました。

その後制作に移り、昼の情報番組でディレクターとして取材を申し入れるときも、物怖じしないで行動する習慣が役立っています。もう一度営業に戻った後、次に報道部に異動になり記者として総選挙などで番組に出ていましたが、今度は「昼の番組のキャスターをやってみないか」と言われ、番組のMCを2年ぐらいやらせてもらいました。約4年ごとに、いろいろな部署へ転属しましたし、自分で切り開いていくことで新しい試みをさせてもらえる状況だったのが、今に生かされていると思います。

物事を決めるとき、キーポイントのひとつは「この番組はキー局と違うよね」ということ。また、「営業的に成立するか」ということだったり、現場のプロデューサーの「これは絶対いいですよ」という主張を信じたりすること。これらを大事にしています。今はみんなで相談して仲良く進めればよいという時代ではないと思うし、非常に不確定な時代で何が正解かは分からない。決断するときは、失敗するかもしれないけれど、自らの判断を信じてやってみようと考えています。

インターネット配信には、 より多くの視聴者に快適な 視聴環境を提供する可能性がある

企画のイメージ

メディアのあり方が変わってきていますが、どのように放送局としての魅力を伝えていきたいですか。

メディアが変わってきている背景には、ひとつは特に若い人達のテレビ離れが進み、キー局の番組も視聴時間が短くなっているというのがあります。これは業界全体の問題です。また、どんなにコンテンツをよくしても、若い人たちの生活サイクルが変わってきているので、放送時間帯と視聴者のニーズにずれが生じるのはしょうがないとは思います。そういう中で、我が社としてはよりターゲットに合った人に見てもらいたいと。それは今までもそうでしたし、これからも変わらないと思います。

もうひとつ、テレビの視聴時間が短くなり、インターネットの閲覧者が増えているのは事実なので、インターネット配信にどう取り組むかが今後の大きな課題だと思います。社内では、インターネット配信を早くやってみようという発案もある一方、配信のプラットフォームが様々で、どれを選択するのかが課題です。インターネットだと北海道から沖縄まで見てもらえる可能性はあるわけですが、よく知られたプラットフォームを選び、テレビ神奈川を知って頂かないと視聴につながりませんから。

現在のように、インターネットの普及によってエリアの距離感が縮まった時代でも、自分の身近な場所でロケがあり、テレビに映ったらうれしいと思う人はまだいらっしゃると思うので、そのように地域の人に喜ばれる存在でいたいです。「番組で見たお店に買い物に行こう」などと行動につながることがテレビの力だと思います。

これから、インターネットがモノにつながる「IoT(Internet of Things)家電」の普及が予測されますが、すでに家庭の100%近くに普及している「IoT家電」はテレビの他にないと。テレビがインターネットにつながっていれば、パソコンより大きい画面で番組を見られるし、それ以外のこともできるでしょうし、可能性は広がっていると思っています。

柔軟な発想で横浜らしい番組作りを

株式会社テレビ神奈川 社長 中村行宏

社会の動きに対応するにあたり、社内ではどんな課題があるでしょうか。

もっと自由にやってくれればいいと思うんですが、いい意味で自己規制している人が多いかなと思います。今、状況は厳しいので、赤字でもいいから番組を作れとはなかなか言えない時代。番組のプロデューサーの立場なら、採算を考え、どう営業を巻きこむか、あるいは営業に支援してもらうためにはどのような働き掛けをするか、その人自身が動かないとできないと思います。

若い人には、リスクを恐れるな、柔軟に生きろとも言いたいですね。「音楽番組をやりたい」、「スポーツ番組をやりたい」などの願望があるでしょうが、こだわりを強く持ち過ぎないで欲しいのです。僕も報道記者をやりましたが、フリーの人は別として、会社組織の中でジャーナリストの役割のみ任されている人っていないんじゃないでしょうか。ひとつの職種に固執して「天職だからこれ以外やらない」ではなくて、もっといろいろなことをやってみて欲しいですね。

もちろん、やりたいことが明確にあって、テレビ神奈川を志望した人たちの気を損ねる気はありません。矛盾しているようですが、番組に携わるならとことんこだわれと。「ヤング・インパルス」もそうだったように、新機軸を打ち出そうとすると必ずリスクを伴い、万人に受ける番組を作ろうと思うと、冒険ができなくなってしまいます。そのバランスをとるのはとても難しい。安易に失敗してもいいとは言えませんが、インターネットが普及しグローバルな情報発信が進んでいる時代、我が社は自分たちの目で選んだものを届け、信頼感を持って頂けるよう、こだわりを持ち続ける努力をしなくてはいけないと思います。

神奈川県の経済や地域の 知識を深める番組を

株式会社テレビ神奈川 社長 中村行宏

現在放映中の番組で、おすすめの番組を教えて下さい。

デイタイムで働いている方には、神奈川県で活動する企業情報を伝える「神奈川ビジネスUp To Date」(毎週月曜21時~21時30分/毎週土曜23時30分~24時〔再放送〕)を見て頂きたいです。神奈川の注目企業や、神奈川にある企業のトップの考え方が分かりますし、自分たちが住む神奈川をもっと知ることができます。

日中家にいることが多い方などには、お昼の情報番組「猫のひたいほどワイド」(毎週月曜~木曜 12時~13時30分生放送)を見て頂くといいかと。MCもレポーターも全員若手の男優陣にした、地域に密着した番組です。最初は、50代・60代の女性をターゲットに考えていたのですが、公開生放送には、意外にも20代・30代の方が大勢参加されています。ひょっとしたら当初のターゲットは間違っていたかもしれませんが、活気が出ているのでそれはいいことだと思っています。自分の住んでいる町のガイドを楽しんだり、離れている町の情報を見て「今度の日曜日に行ってみよう」と思って頂いたり、ご家族で見て、神奈川県についての見聞を楽しく深めてもらえるとうれしいです。

50周年に向け、 視聴者に喜ばれる放送局に

株式会社テレビ神奈川 社長 中村行宏

今年開局45周年です。これからの時代に向けた取り組みを教えて下さい。

開局45周年を迎え、7月から10月に「激動昭和の時代を駆け抜けた銀幕のスターたち」という写真展を、また10月には大相撲の横浜地方巡業を開催しました。放送局は開局から5年ごとに何かやっていますが、45周年はちょっと控えて、視聴者の方に大事にして頂ける放送局になるよう、50周年に向けてのステップを歩みたいと考えました。50周年のときには、「我が社はこういう路線をとってきてよかったね」と思って迎えられるようにはなりたいですね。

今、世の中にある会社の中で、元々の本業だけで生き延びているところは多くないでしょう。僕らも本業は民放テレビ局だけれども、経営陣も、若い人も、多角化の傾向にある中で、それに応じて新規開拓するぐらいの気持ちが必要です。我が社では、放送事業以外にハウジング事業をやり、横浜駅の近くにある2万2,000坪の土地を所有し、住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」と「横浜イングリッシュガーデン」などで、19億円程の売り上げがあります。これは、僕らの先輩方が開局まもなくから始めた事業。現在は、地上波民放としては先が見えにくい時代でもあるので、放送とは別の事業を持っているのはひとつの強みではないかと思います。

一方で、本業として利益を上げ、視聴者の方の役に立つ放送局になることも必要です。神奈川県を中心とした電波領域やケーブルテレビの視聴者を合わせると、放送の視聴が可能な方々は、1,000万世帯、2,000万人ぐらいですが、より多くの人にテレビ神奈川を意識してもらうことが何よりも大切。視聴者の方々にはニュースや娯楽番組、イベントを通じて、「tvkが自分の地元にあってよかった」、「いいことをやっている」と思ってもらいたいですし、休みの日には横浜にも、箱根にも、鎌倉にも、丹沢の山登りにも行ってみようと思ってもらえれば最高ですね。

インタビュー:2017年9月

経歴

昭和28年 生まれ
昭和51年

早稲田大学政治経済学部卒業

株式会社テレビ神奈川入社 業務推進本部営業部

昭和55年

同社 業務本部大阪支社

昭和59年

同社 報道制作局ワイド番組部

昭和63年

同社 営業局営業部

平成4年

同社 編成局編成部

平成6年

同社 報道制作局報道部次長兼プロデューサー

平成9年

同社 昼の情報番組キャスター

平成11年

同社 報道制作局報道部次長兼プロデューサー

同社 営業局東京支社営業部長

平成14年

放送本部報道制作局報道部長

平成15年

ニュース930キャスター

平成20年

営業本部営業局長兼事業部長

平成22年

営業本部長

平成23年

取締役 営業本部長

平成25年

取締役 総務・労務・営業担当

社長室兼総務局長

平成26年

代表取締役社長

株式会社テレビ神奈川

株式会社テレビ神奈川

「あなたと心を通わせるテレビ局になりたい」「あなたにとって開かれたメディアでありたい」「あなたが自由に参加したくなる場でありたい」そんな思いを込めて、地域に根ざした番組作りに一層努めます。

株式会社テレビ神奈川
〒231-8001
神奈川県横浜市中区太田町2-23

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