株式会社サンゲツ
代表取締役 社長執行役員安田 正介

株式会社サンゲツ 安田 正介

卸売業

「Joy of Design」で新たな価値を
創造するよろこびを世の中に届ける

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はじめに

今回のリーダーは、株式会社サンゲツ、代表取締役 社長執行役員の安田正介さん。
江戸時代末期、襖や屏風、障子を設える表具師(ひょうぐし)として「山月堂」の暖簾を掲げて以来、150年以上日本のインテリア業界を牽引してきたインテリア専門商社の株式会社サンゲツ。2016年には新たなブランド理念「Joy of Design」を発表。新しい空間を創り出す人々に“デザインするよろこび”を届けています。2014年、約60年にわたったオーナー企業からバトンを受け、社長として様々な改革を推進する安田正介さんに、お話を伺いました。

インタビュー

前社長から受け取った 社長職のバトン

株式会社サンゲツ 安田 正介

サンゲツ入社前は三菱商事にいらっしゃいましたが、どのようなことをされていましたか?

三菱商事では機能化学品本部長として、機能化学の分野で様々な樹脂を扱っていました。その中のひとつに壁紙や床材にも多用されている塩化ビニル樹脂があったことから、サンゲツともかかわりがありました。ただ「かかわり」と言っても、私は当時の社長へのご挨拶などで年に数度お会いするくらいの関係でした。

しかし私が三菱商事を退社することが発表されると、当時のサンゲツの社長より社外取締役のお話を頂き、2012年の6月にサンゲツの社外取締役に就任することになりました。そして当時の社長からの要請で中期経営計画の検討委員会に携わることになり、その流れで2014年春、前任の社長から社長職を引き継ぐことになりました。

個人の力と戦略性を組み合わせた 事業形態へ

株式会社サンゲツ 安田 正介

中期経営計画を策定、そして実行する中で目指したものは?

第1回目の中期経営計画「Next stage PlanG」で注力したのは、人事制度、リスク管理制度、ガバナンス体制の整備といった、「事業基盤の再整備」です。これらはすべての企業に共通する課題であり、社内の様々なものを見直すにあたり、はじめに着手しました。そして、第2回目の中期経営計画「PLG 2019」で今まさに取り組んでいるのが、「事業構築の方針」や「営業展開の見直し」です。これは、それぞれの企業独自が持つ課題であり、事実や現実を踏まえなければ、正しい手を打てません。一朝一夕に見えることではなく、社長就任後に多くの社員と意見を交わし、現実の仕事を知ったからこそ取り組むことのできるテーマだと思います。

この中期経営計画では「PLG」をキーワードとしました。「P」はパーソナル。サンゲツの仕事では、営業活動や商品開発など、あらゆる面で個人の力や人的なつながりといった「人」の要素が非常に重要です。「L」はローカル・地域性を指します。内装業の歴史は非常に長く、販売形態や顧客など、その土地に根付いた特徴があります。そのために、「人」の力を活かし、「各地域」で強い市場ポジションを確立する必要があります。これは日本のみならず、現在注力している海外展開においても非常に重要です。そして最後の「G」は広い視野を持つグローバルの頭文字。近年のインテリアのデザインは国際化してきている部分もあり、各市場で築いたポジションを、戦略的な目線でグローバルに展開していくことが求められています。

「PLG」は、決して「GLP」では成立しません。 やはり、まずは P(パーソナル)が主体となり、個人の力と人とのつながりを高め、それに より L(ローカル)、各地域で強固な基盤を築き、これを G(グローバル)に展開していく。 個人の力と戦略をどのように組み合わせるのかが重要となります。

社員が働きやすく 実力を発揮できる環境をつくる

株式会社サンゲツ 社内風景

企業の軸となる“パーソナル”を大切にする方法でこだわりなどはありますか?

個々の能力をより発揮できる会社運営を行なっていきたい、と常々考えています。そのための環境づくりとして、社長に就任して以降、社員食堂のリニューアルや年金制度、健康経営の推進などにも取り組んできました。

また社員の業務についても、この5年間で大きく変化しています。ひとつは、単純な「ルーティン業務」をほとんど外部に移管したこと。一番大きな例としては、受注した注文データの入力です。注文は一日平均6万点、多いときには10万点にものぼります。以前の注文形態では、お客様からFAXでサンゲツに届き、それを社員が手作業で社内システムに打ち込む業務が受注業務の大半を占めていました。それをオンライン受注にしたり、入力を社外に移したりと運用方法を切り替えました。その結果、3年前には注文の60%ほどを社員が手作業で入力していたところを、今では全体の5%程度にまで削減しました。

私は、社員には、より「創造的」な業務や「対人折衝型」の業務で実力を発揮してもらいたいと考えています。データの打ち込みに追われて他の大切なことができない、ではなく、お客様からの問合せに丁寧に応える顧客サービスや、外に出て様々な商品提案・交渉をしてきてほしい。それを実現するためにも、こうした社内業務の見直しは非常に重要になってくると考えています。

多くの想いを込めた ブランド理念 「Joy of Design」

株式会社サンゲツ 安田 正介

サンゲツという会社の強み・特徴はどのような点だとお考えですか?

強みはやはり「マーケット(市場)に近い」ことですね。私たちは工場を持っておらず、企画と販売が主体の会社です。そのため本質的に、製造よりも市場に近い立ち位置にあります。 この立場を活かし、現在市場が何を必要としているか、そして将来的にどのような需要が生まれるかをしっかりと読み解き、商品に活かしていくことを意識しています。

また、サンゲツのブランドステートメントである「Joy of Design」についてお話しすると、私たちは、今後様々な事業に付加価値を付けていくのは、デザインであると信じています。これは、単に商品のデザインを指すのではなく、「人生をデザインする」「日々をデザインする」など、多彩な意味を持ちます。

デザインとは、自分の意志を以って何かを構想し、表現すること。価値観が多様化する現在、「デザインすること」は個人においても社会においても非常に重要になるでしょう。今はあまり大きなことは言えませんが、社員がこの会社に勤めることで人生をデザインし、それが社員自身のよろこびにつながるように、そしてそこで生み出されたものが、お客様のよろこびにつながるような会社になれば良いと思っています。

今後の事業における構想や、業界全体に関して実現したいことについて聞かせてください。

会社全体の構想という意味では、やはり人材の強化です。社員ひとりひとりがいきいきと、個性を活かした仕事をしていて、それが他社との差別化、大きな魅力となるような会社にしていきたいと思います。

一方、業界については、インテリア業界のなかでも、私たちは内装材を扱っているわけですが、日本の内装材の質の高さや空間における重要性について、もっと社会の認識を高めていきたいと考えています。「壁装材」や「床材」が室内に占める面積は広く、空間における役割も非常に大きなものがあります。サンゲツのショールームには、リフォームを予定される個人のお客様が多くいらっしゃいます。ここで好みの壁紙や床材をご自身で選び、貼りかえると、「お部屋の印象が全く変わった」と大変喜んで頂けます。サンゲツでは、約12,000点の商品を取り扱っていますが、日本の内装材の質、種類の多さ、そして施工の仕上がりは、海外と比べてもレベルが高いと感じています。現在は、どうしても無難な白が選ばれがちですが、これらに対する理解を充分に得て、内装インテリアへの期待感を高めたいですね。部屋で過ごす時間を大切にする人が増える中で、内装材に対する社会的な要請は、きっと高まっていくと思います。

若い人たちの持つ 自分に無い視点を知ることを大切にする

株式会社サンゲツ 安田 正介

普段、どのような手法で経営にかかわる情報・知識などを取り入れていますか?

本のジャンルであれば経済や歴史、あとは料理エッセイなんかも好きです。料理エッセイの本だけで100冊以上は持っていますよ。最近は時間が無くてできないですが、昔はよく料理エッセイを参考に自分で作ったりもしていました。会社にいるとき、昼食は社員食堂で取りますが、社員と料理の話をすることもよくあります。

また、人と話すのが好きで、昔からなるべく多くの人と交流するようにしてきました。今も私は月曜から金曜まで、様々な人と会食することにしています。取引先のインテリア業界の方々だけでなく、昔からの知人や他の業界の方と行くことも少なくありません。そこで、現在の状況や業務に対してどのように感じられているか、厳しいご意見などを伺うようにしています。意識的に30代くらいで新しい取組みをされている方の話も伺うようにしていますね。そうした若い方たちの視点は、自分と違った視点をお持ちなので新たな気づきを得られるのです。ですから、そういう方たちとのお付き合いも、非常に大切なものだと考えています。

若い頃の努力が自分の可能性を広げる糧になる

株式会社サンゲツ 安田 正介

現在就職活動している学生や、若いビジネスパーソンにアドバイスをお願いします。

若い方が就職にあたって求めるものとして、「楽しく働きたい」「業務を通じて成長したい」の2つが挙げられると思います。しかし、私個人の意見としては「楽しく働きたい」というのが、単に「楽しい」というところを意味するなら「楽しく働く」ということも難しいと思っています。

一方、「楽しく」はつまり「やりがい」のことで、「手応え」と呼ばれるものでもあります。これらは、自分から積極的にものごとに取り組んで得られるのだと思います。生半可な気持ちや受身では結果は出てこない。だからこそ、「ちょっとやそっとじゃ諦めない」と思えるものを選んでほしいですね。どうやると楽しいか?どうすればやりがいが生まれるか?成長するにはどうしたらいいか?を考えてほしいです。

また、若いうちに「努力すること」を習慣付けておくのも非常に重要だと思います。勉強は 学生時代で終わりではなく、社会人になっても続くこと。先ほどお話しした「多くの人と話す」ということにもつながりますが、仕事だけでは、つい視野が偏りがちになります。多くの人と語らい、学び、自分の業務の領域外を知ることが、将来の可能性を広げていくはずです。自分で自分の人生をデザインし、「楽しく」仕事をしていきましょう。

社名・役職などはインタビュー当時のものです。

インタビュー:2019年8月

経歴

昭和48年3月

一橋大学 経済学部 卒業

昭和48年4月

三菱商事株式会社 入社

平成16年4月

同社 執行役員機能化学品本部長

平成20年4月

同社 常務執行役員中部支社長

平成24年4月

同社 常務執行役員

平成24年6月

同社 顧問

平成24年6月

株式会社サンゲツ 取締役

平成26年4月

同社 代表取締役社長

平成28年4月

同社 代表取締役 社長執行役員(現任)

株式会社サンゲツ

株式会社サンゲツ

株式会社サンゲツは、1849年に襖や屏風、障子を設える表具師の「山月堂」として誕生しました。現在は、トータルインテリア商品の開発・販売を行なうインテリア専門商社として日本のインテリア業界を牽引しています。2016年に発表した「Joy of Design」というブランド理念のもと、インテリアによる“デザインするよろこび”を多くの人々に届け続けています。

株式会社サンゲツ
〒451-8575
名古屋市西区幅下一丁目4番1号

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