株式会社学研ココファン
代表取締役社長五郎丸 徹

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

シニア

「学研ココファンがある街に
住みたい」と言われることが夢

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はじめに

今回のリーダーは、株式会社学研ココファン、代表取締役社長の五郎丸徹さん。
『科学と学習』などの学習雑誌や学習塾などで知られる学研が、2004年に新規事業として立ち上げた株式会社学研ココファンは、高齢者住宅の運営や介護サービスの提供を中心とした高齢者福祉事業を展開しています。学研ココファンが目指すのは0歳の赤ちゃんから100歳を超える高齢者まで、多世代が支え合いながら安心して暮らせる街づくりとのこと。長年教育事業を手掛けてきた学研が、なぜ新たなミッションに取り組もうと思ったのか。株式会社学研ココファン、代表取締役社長の五郎丸徹さんにお話を伺いました。

インタビュー

現場のインストラクターの仕事をしたからこそできた、 新規事業への挑戦

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

株式会社学研ココファンは、株式会社学研ホールディングスの社内ベンチャーで立ち上げたとお聞きしました。経緯を教えて頂けますか?

会社を設立したのは2004年ですが、事業化は2002年ぐらいから検討していました。

株式会社学習研究社(現・株式会社学研ホールディングス)在籍当時は、学研の学習教材を家庭訪問して販売するセールスレディーがいて、もともと私はそのインストラクターをしていました。しかし、社会のライフスタイルが変わり共働き家庭が増えたため、訪問しても商談相手が家にいないことや、子どもの数自体が減ったことなどから、教材を売ることがだんだん難しい状況になっていきました。そんななか気づいたのが、訪問先の地域には高齢者が非常に多くいることです。現場で働くセールスレディーから「学研は高齢者向けの事業はやらないの?」という声も上がり、自分もその必要性を強く感じていました。

そして、現在は学研ココファンホールディングスの代表取締役社長である小早川と、私と木村祐介(現学研ココファン上席執行役員)の合計3名で、シニア向けのビジネスをやりたいと会社に申し出たところ、会社側から「やってみろ」と言われたわけです。

まさに現場の声から始まった事業だといえますが、社内でも認められるまでにはかなりエネルギーを使いました。その後もこれ以上続けるべきか迷ったり、会社の存続の危機もあったりするなど、いろいろありましたが諦めずにやり続けたからこそ、今があるのかなと思います。

トップは常に「やるぞ」という気持ちを 持ち続けることが大切

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

2014年に代表取締役に就任されましたが、そのときのお気持ちはいかがでしたか?

それまでも役員として事業の責任者ではありましたが、代表取締役は本当の意味で「最終責任者」になります。何があっても最終的に責任を取るという覚悟はしましたね。

就任当時はパートの人まで入れたら3,000人くらい(現在は4,300人くらい)の職員がいて、何か不祥事があったら今まで積み重ねてきた学研の歴史が吹っ飛んでしまうと思いました。特に学研ココファンがやっている「介護」という事業は、命にかかわる非常に尊い仕事ですが、その分リスクも高い仕事ですので、さらに身は引き締まりました。

「やるぞ!」という気合いと、リスクに対する怖さ。どちらが気持ち的に大きかったですか?

「怖い」という気持ちやリスクは常にありますが、「やるぞ!」という気持ちがそれらを上回っていないといけないと感じています。何か新しいことをしようとすれば、「もっと慎重にしたほうが良い」「まずは地盤を厚くしてから」など様々な意見が出てくるかもしれません。しかし、立ち止まらず進みながら改善を重ねていくことが、会社だけでなく介護業界を良くすることにつながると私は思っています。

また「立ち止まって改善を試みてから、次の段階へ行く」というのは理論としては成り立つのですが、会社というのは前に進むことによって、ようやく現状維持ができると思います。だからこそ、常に「会社やサービス業全体をもっと成長させるためにも、前に進んでいこう!やるぞ!」という意志を強く持ち続けていますね。

命にかかわる事業を継続させるうえで、 大切にしている「3つの観点」

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

介護事業を手掛ける上で、大切にしていることなどありますか?

まず学研グループの企業理念があり、それに沿った事業体でなければならないというのが前提です。それ以外に私達の仕事は命にかかわる事業ということで、3つの観点を大切にしています。

第一に「人のこと」。やはり働く人がいなくなったら事業継続はできません。人がすべてです。働き甲斐があって働きやすく、ここであれば成長できると感じて長く勤務してもらえるように、役割をつくり、いろいろな施策を考えていかなければいけません。

第二に「サービス品質のこと」。介護の品質もそうだし、社会保険を扱っている仕事としてきちんと公明正大に運営ができているかというのも重要なことです。

第三に「収益を大切にしなければいけないこと」。どんなに良いことをしていても、会社として赤字ならやってはいけません。赤字にならずに、いかに健全に運営ができているかということも重要です。

この3つが大切だといつも言っています。

初任者研修に参加した人たちの振り返り表は、 全員分目を通している

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

介護事業はやりがいもある分、難しさも大きい仕事です。従業員のモチベーションをアップさせるために、何か行なっていることはありますか?

例えば新卒一年目で社会福祉士の資格を持っていて、近い将来相談員業務をやりたいと思っていても、入社した当初は介護の仕事をすることになります。大変な毎日を送るなかで、何のために介護をやっているのか、自分は本当にやりたいことができているのかと悩むこともあるかもしれません。

しかし、会社がどこを目指そうとしているのか、今の仕事が今後どうつながるのかなど、ちゃんと若い職員に届くようにしていれば、彼らのモチベーションも下がらないのではと感じています。そのためにも、つい目先の大変な状況ばかりに目がいってしまわないよう、その後のキャリアプランや会社の考えなどをきちんと発信することを心掛けています。

具体的には、2年目・3年目のフォローアップ研修の中で私が講演する際、改めて会社の福利厚生制度や人事制度について案内して、キャリアアップや昇給のチャンスがあることを伝えています。また、大勢の懇親会でもひとりひとりと必ず一言は話すなど、コミュニケーションを取るようにしていますね。

入社したての人たちに対しては、「初任者研修」という1日研修を受けてもらい、その研修を通して会社の考え方などを伝えています。毎月開催していて多いときは100人ぐらいになることもあります。研修の最後に全員に研修振り返り表を書いてもらうのですが、すべて目を通して、ひとつひとつに自筆でコメントを書いて戻しています。中には何年経ってもそのコメントを取っておいてくれる人もいるんですよ。

こうした取り組みを通して、たとえ大変なときがあっても、やりがいのある会社に入ったと思ってくれることにつながれば良いなと思います。

チャンスが訪れるのは、目の前にある仕事を一生懸命やる人

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

どういう人と一緒に仕事をしたいと思いますか?

やりたいことや将来のキャリアビジョンを持つことが大切だというけれど、個人的には必ずしもそうではないと思います。世の中の仕組みなんて、50歳ぐらいになってやっと半分くらい分かるようなものじゃないですか。就職活動などで悩む人もいるようですが、若いときにやりたいことが分からないというのは、むしろ当たり前だと思います。

ただ、ひとつ言えるのは、目の前にある仕事を一生懸命やらない人にチャンスは絶対に来ないです。与えられたら何でもやるんだという人の方が絶対伸びますし、物事に対して一生懸命やりたいという熱意のほうが大事だと思います。だから私は諦めずにやり抜く人、目の前の仕事を頑張る人と一緒に働きたいなと思っています。

若い世代に向けて伝えたいメッセージはありますか?

これからの日本は人口も減っていきますし、昔のような経済成長が望めないというのは認めるところです。『頑張っても報われない時代になる』と言う人がいますが、それは違うと思っています。成熟した新しい日本だからこそ理想の街づくり、社会づくりができるはずです。頑張れば頑張った分だけ形になる国であるはずです。悲観することは全くないです。もちろん今まで以上に勉強して努力をしていく必要はあるでしょう。私の好きな言葉に「居心地の良いところに成長はない」というのがあります。目の前の仕事に悪戦苦闘している人や必死の努力をしている人に贈りたい言葉です。やはり若い世代の人たちには大いに期待しています!

「学研ココファンがある街に住みたい」と 言われることが夢

株式会社学研ココファン 五郎丸 徹

人生100年時代といわれていますが、御社がこれから取り組んでいきたいビジョンは何でしょうか?

内外に徹底的に発信して推進していこうと思っているのが、「学研版地域包括ケア」というものです。

「地域包括ケア」というのは15年くらい前から言われていますが、それは住み慣れたところで安心して最期まで暮らせるような地域にしようというものです。そのためには、医療、介護、身の回りのケアを一体提供してくれる仕組みがないとできません。

「学研版地域包括ケア」は人生の終末期の地域包括ケアのみではなくて、0歳から100歳を超えても安心して暮らし続けられる街づくりをしていこうと考えています。学研では保育園や学童保育のほか、塾も介護もやっています。また、介護までは必要ないけれどお弁当を配ってほしいという声をうけて、配食サービスも始めました。

また、元気な高齢者の方が将来介護を必要としなくても良いように、「学研大人の教室」という認知症予防を目的としたアクティビティを90分間行なう教室も始めています。これは、具体的には「学び(計算やぬり絵)」「運動(椅子に座ったままできる軽いエクササイズ)」「アート(創作活動)」の3つのプログラムを行なうことで、脳の活性化をうながすといった内容のものです。

こうした医療福祉を学研ココファンだけでなく、学研グループ全体で進めていこうとしています。

そういう街づくりが進めば、介護や育児に悩んでいる人たちの悩みも解決できるかもしれませんね。

実現させたいと思っている夢は、「学研ココファンがある街に住みたい」と言われるようになることです。住みたい街ランキングってありますが、いつかその理由に「学研ココファンがあるから」と言ってもらいたいですね。子育てがしやすく、高齢者になっても住みやすい街づくりのためにこれからもサービスを提供していきたいです。

社名・役職などはインタビュー当時のものです。

インタビュー:2019年8月

経歴

平成3年4月

株式会社学習研究社入社

平成3年5月

大分支社配属(担当:家庭直販事業)

平成8年9月

仙台支社配属(担当:家庭直販事業、イマジン学園)

平成12年1月

家庭直販事業部配属

平成15年9月

ウエルネス事業準備室配属

平成17年11月

株式会社学研ココファンに出向

平成19年4月

経営企画室配属

平成21年4月

メディカル出版事業部配属

株式会社学研ナーシングサポート取締役就任

平成21年10月

株式会社学研メディカル秀潤社に転籍、取締役就任

平成25年10月

株式会社学研ココファンに転籍、常務取締役就任

株式会社学研ココファンホールディングス取締役就任(現任)

平成26年8月

株式会社学研ココファン代表取締役社長就任(現任)

平成27年5月

株式会社シスケア取締役就任(現任)

平成27年10月

株式会社学研ココファン・ナーシング 代表取締役に就任(現任)

平成27年12月

一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会理事就任(現任)

平成28年11月

株式会社学研ココファン・スタッフ取締役就任(現任)

株式会社学研メディカル秀潤社取締役就任(現任)

平成30年9月

メディカル・ケア・サービス株式会社取締役就任(現任)

株式会社学研ココファン

株式会社学研ココファン

2004年に居宅介護支援と訪問介護事業として設立し、2006年に高齢者専用賃貸住宅を開設。2008年に学研ココファンホールディングスの傘下となり、高齢者住宅や介護を中心とした事業を手掛けている。

株式会社 学研ココファン
〒141-0031
東京都品川区西五反田2-11-8 学研ビル

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