トップインタビュー
子どもたちの今と未来を笑顔にしたい ホテル業界から教育業界へ転身

東京個別指導学院へ入社されたきっかけについて教えて下さい。
キーワードは「笑顔」です。大学卒業後は、お客様の笑顔のきっかけになりたいと考えて、ホテルビジネスに10年間身を置きました。その後、ご縁があって東京個別指導学院に巡り合います。教育とは学んでいる「今」だけではなく「未来」にもかかわりますよね。過去の学びが礎となって未来を形づくるのです。東京個別指導学院の個別指導は生徒一人ひとりの目標達成にしっかりと向き合った教育を提供しています。ここなら子どもたちの「今」だけでなく「未来」も笑顔にできると考えて転職を決めました。
ホテル業界と教育業界、まったく違うジャンルで戸惑いはありませんでしたか?
まったく戸惑いはありませんでした。ホテルビジネスでのいちばんの学びは「ホスピタリティ」です。ホスピタリティとは「この人のために」という主体的な心の働きで、喜んでもらいたいと思ってする一つひとつの言葉や行動です。東京個別指導学院もホスピタリティを大切にした教育を提供していました。「生徒のために」という想いを大切にし、心に寄り添って指導します。ホテルと教育では提供するサービスは違いますが、大事にしたいものは同じだと強く感じました。
大切にしているのは ホスピタリティとリーダーシップ

東京個別指導学院入社後はどのような仕事に携わりましたか?
まずは教室長からスタートしました。生徒を指導するのは40人から50人の講師で、ほとんどが大学生のアルバイトです。彼らをひとつのチームとしてまとめる、強いリーダーシップの必要な仕事でした。年々リーダーとして率いる組織の規模が大きくなっていき、全国の教室の責任者も経験しました。
あるとき、本社内にコールセンターを作るプロジェクトに責任者としてかかわりました。教室で対応しきれないお電話を一括して受けるハウスコールセンターは、当時の塾業界として初だったと思います。
わざわざ電話をかけてきて下さるお客様は、案内資料に載っていない情報を求めています。私が目指したのは学習や進路の悩みを親身になってお聞きし、解決の橋渡しをする「ホスピタリティをコアにしたコールセンター」です。このビジョンをメンバー一人ひとりに丁寧に伝えていく過程で、このプロジェクトの真のリーダーになれたと思います。
弊社の真の価値を高めるために 人財育成を仕組み化する

様々な経験を積まれてから社長に就任して、まずどんなことに着手しましたか?
代表取締役社長になるときに改めて考えたのは、「弊社の真の価値とは何か」です。すべての仕事は価値提供です。私たちの価値は「一人ひとりにぴったりの授業」。そしてその授業は「講師や教室社員が生徒とどう向き合うか」にかかっています。つまり「生徒一人ひとりと向き合う教室の力」が、弊社の真の価値なのです。
生徒のために主体的にホスピタリティを発揮する講師であってほしい。そのために「講師にやりがいを持って働いてもらうためにできることは何か」を経営の最優先課題としました。成長意欲の旺盛な大学生講師に、「社会が求める力」を身につけてもらいたいと願い、人財育成を体系化することに取り組みました。教室の目標と実行計画を立てPDCAを回し、振り返りを会社全体で共有する年間プログラム『TEACHERS' SUMMIT』。ビジネススクール並みの全6回コースの講座『TEACHERS' SUMMITアカデミー リーダーシッププログラム』。この他にも就職支援セミナーや教員採用セミナーなど多数を用意しています。
共創のリーダーシップで「心通う関係性」を育む

強いリーダーシップを発揮しているようですが、どんなポリシーがあるのでしょうか。
現代は、多様な価値観を持った人々が多様な力を発揮してこそ新しい価値が生まれる時代です。もはやリーダーの指導もトップダウン型は通用しません。経営でも教育でもいま最も必要なのは「共創」。リーダーシップで言えば、メンバー一人ひとりの強みを活かし、共に新しい価値を創り出す『共創のリーダーシップ』が私の目指す姿です。
東京個別指導学院の講師は、ふたつの「共創」の要素を仕事を通じて身につけています。
ひとつは先ほどから何度かお話ししている「ホスピタリティ」。目と目を合わせたあたたかい対話を通じて「心通う関係性」を育むことです。
そしてもうひとつは「エンパワーメント」。「君のこの力をさらに伸ばせば、こんな高みを目指せる」と、心から信じて励ますことです。組織のすべての土台は「関係性」にあります。心通う関係性があるからこそ励ましの言葉が心に届くのです。
リフレッシュ法は 平泳ぎで非日常の体験を味わうこと

エネルギッシュな社長ですが、リフレッシュ法は何ですか?
スポーツクラブで泳ぐことです。スタイルはいつも平泳ぎ。なぜなら、左右対称の動きをする泳ぎ方だからです。ふだん人は右手でカップを持ち、左手で電話を取るなど左右非対称の行動をしています。ですからまったくの左右対称に体を動かすことは非日常の体験なのです。いつもと違うことをするのがリフレッシュ法ですから、ぜひやってみて下さい。
社会の変化に合わせて、自分自身で夢をアップデートしていく それが未来を生き抜く力

少子化という問題がある中、御社が今後取り組んでいこうとしていることは何ですか?
未来を見据えたとき、まず予想されるのは「変化」です。社会の流れをキャッチし、刻々とした変化を正しく認識することが何より大切です。テクノロジーの進化によって変化のスピードが加速しているからこそ、すべては変わっていくという前提で考える必要があります。東京個別指導学院の教育の目的は「子どもたちに未来を生き抜く力を手渡すこと」。自分らしい人生を送るには、自分の夢を自分で描き、実現に向けて努力することです。でも社会がどんどん変化しているので、夢はどんどんアップデートしていく必要があります。これが未来を生き抜く力となります。
キーワードはふたつ。「主体性」と「多様性」です。「自分で考えて行動すること」。そして、「価値観の異なる人とも協働すること」です。そのために東京個別指導学院は、子どもたちの「やればできる」という自信を育み、夢や目標に向かって果敢にチャレンジをすることの大切さを、教育を通して伝えようとしています。
「あなたのおかげで」を互いに付与する、笑顔あふれる社会に

「一緒に仕事がしたい」と思うのはどんな人ですか?
「ありがとう」という言葉を大切にできる人です。人間は一人でできることは限られています。必ず目に見える所、目に見えない所で誰かに支えられています。支えてくれる人への感謝の気持ちがあるから、他人のために何かしてあげようと思うわけです。「ありがとう」の気持ちを持っている人と働きたいですね。
最後に、今後力を入れていきたいことについて教えて下さい。
人づくりの会社のリーダーとして、私には実現したい未来があります。それは「あなたのおかげで」を互いに付与する、笑顔あふれる社会です。
「先生と一緒だから頑張れた」「先生が励ましてくれたから上を目指せた」「講師の仕事を頑張る君の姿を見て、教室長である私も頑張ることができた」このあとに続く言葉はすべて「ありがとう」ですよね。20年教育の仕事をしてきて心が震えたのは、こういった「ありがとう」のシーンでした。
ありがとうの言葉にはいつも笑顔があります。人と人との関係性で生まれる笑顔は最高の宝物です。「あなたのおかげで」という言葉を惜しみなく与えられる人が集い、共創する。私は東京個別指導学院をそのような会社にしたいと願っています。
生徒や大学生アルバイトの講師たちは、いずれそれぞれの社会へと飛び立ちます。そこで出会う新たな仲間に「あなたのおかげで」を付与してくれたら、笑顔のあふれる温かい社会になります。
「あなたのおかげ」が原点となる人づくりに力を注ぎたい。それが私の思いです。
社名・役職などはインタビュー当時のものです。
インタビュー:2019年11月