トップインタビュー
「なりたい自分とは何か?」の問いに導かれて たどり着いた出会い

物語コーポレーションへ入社しようと決めたきっかけや動機をお聞かせ下さい。
もともと将来について漠然としか考えていませんでしたが、転機となったのはある会社の就職面接でした。「あなたのなりたい自分はどんな自分ですか」という質問に、とっさに答えられなかったのです。自分自身はどういう人間になりたいのかと、それまで深く考えたことがありませんでした。
このことをきっかけに、そのときに就職活動していたいくつかの企業に対する志望理由を、改めて考え直してみたのです。すると、どのような業種・職種に就いたとしても、最終的に飲食に関連した事業にかかわることを目標としていることに気づきました。つまり、自分が本当にやりたいことは飲食なのだと、ひとつの答えにたどり着いたのです。しかし、単に飲食業に入れば、自分のなりたいものになったと言えるのかというと、そうではない。やるならば、フードビジネスのプロフェッショナルになりたいという思いが根底にありました。
では次にどんな人物になりたいか。目標となる人物像を描こうとしたときとき、高校生時代にアルバイトをしていた飲食店のオーナーの顔が思い浮かびました。とても魅力的な人で、自分らしくイキイキした人でした。あの人のようになりたいと思い、そのオーナーがいた会社はどんなところだろうと会社説明を聞きに行ったのが、物語コーポレーションです。
そこで聞いた会社の「Smile&Sexy」という経営理念は、まさに自分がなりたい自分像でした。この会社にはなりたい自分像を言い表す理念があり、それを本気で目指している社員がたくさんいる。さらにフードビジネスの会社でプロフェッショナルになっていける環境があるということで、ここに入りたいと決意しました。
「Smile&Sexy」は人間性を磨いて、 自分らしさを表現すること

入社するきっかけとなった、「Smile&Sexy」という経営理念について
お聞かせ下さい。
「Smile&Sexy」を分かりやすく表現すると、「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity&Inclusion/D&I)」です。D&Iは多様性を認め、いろいろな人たちがイキイキと相互に活躍するという意味合いですが、「Smile&Sexy」はD&Iはもちろんのこと、それ以上の意味合いを込めています。
「Smile&Sexy」の「Sexy」は「自分らしさ」を表現していて、「Smile」は自分らしさを表現するときに必要とされる「人間力」を表しています。
自分らしさ(Sexy)を持つ人はどんな人か。それは、周りに自分の意見をしっかりと言える、やりたいことをやれる人ではないかと思います。ただし、闇雲に自分の意見を言えば良いというわけではありません。その人の人柄・人間力(Smile)によって、受け取られる印象は違いますよね。もしもその人が明るく笑顔が素敵で、気遣い・マナーが守れる魅力ある人間だったら、その人の「Sexy」な部分も魅力のひとつとして受け取られます。反面、「Smile」が足りない人が「Sexy」を表現しても、自己中心的とか自分勝手と受け取られてしまうでしょう。したがって、「Sexy」であるために「Smile」を磨こう、そして「Smile&Sexy」を持った一人ひとりが自分らしさを出して活躍している人たち、多様性を持った人たちを私たちは受け入れ、応援するという考え方です。
「個の尊厳を組織の尊厳の上位に置く」ことを 提唱する理由

経営理念のもと、全員が自分らしさや意見を出した場合、
リーダーとして束ねるのは大変ではないですか?
Smile&Sexyというひとつの理念を掲げて、それに向かってみんなでやっていますから、むしろやりやすいです。一人ひとり考え方があるのは当然ですし、弊社では、そうした「個」を大事にしています。
一人ひとりが自分なりの意見を述べると議論が生まれやすくなりますが、それにはふたつ良いところがあります。ひとつ目は、経営が正しい方向に行きやすいこと。ふたつ目は、一人で考えつかなかったような新たなイノベーションが生まれることです。
そうして議論した結果、みんなが納得するひとつの結論にたどり着きます。自分たちが出した答えで、現場が変わったり、経営に反映されたりする。それは一人ひとりが経営参画している意識を持つことにも繋がりますし、結束力もより強固なものになります。結果、議論が活発化している環境というのは会社の大きな力になります。
弊社が「Smile&Sexy」と併せて「個の尊厳を組織の尊厳の上位に置く」ことを提唱しているのは、個が自分らしく生きられないなら、会社の成長もないという考えからなんです。
プロフェッショナルとしての経験と 経営参画への取り組みで培った自負

若くして代表取締役社長に就任されましたが、
就任時の思いや目標などをお聞かせ下さい。
打診されたとき、即答で「やる」と言いました。プレッシャーはありましたが、入社してから主に営業と開発という飲食における肝の部分でプロフェッショナルとしてやってきたという自負があったからです。やらない理由はないと思って引き受けました。
目標は、会社を右肩上がりに成長させ続けていくことです。右肩上がりを維持し続けるためには、既存事業のブラッシュアップだけでなく、新しい業態を生み出すことも考えていかなければなりません。そのふたつに力を入れていくためにも、若いからこそバリバリ動けるので、開発スピードを上げて、多様性あふれる会社にしていきたいですね。
御社の理念でも「多様性」のワードが出てきましたが、多様性を取り入れるために取り組んでいることはありますか?
定期的に中国・韓国のインターンシップを受け入れたり、5年勤続した社員には上海研修をしてもらい、現地の人と触れ合ってもらったりしています。もちろん、外国の方との触れ合いだけが多様性に繋がるわけではありません。採用でも多様な年齢、国籍、性別があることを受け入れ、そしてみんなが自分らしさを出せる職場作りを努めています。
付加価値の創出が 新たな時代を生き抜く重要な戦略

コロナ禍による影響や、
それに対する取り組みなどをお聞かせ下さい。
弊社の事業で考えれば、マーケットが縮小して、例えば月三回外食していた人が、二回や一回にするなど、選ばれる確率が減ってきています。しかし、その中で生き残るにはどうするかを考えたとき、答えは非常にシンプルで、「その限られた回数で選ばれ続ければいい」。つまり「地域での一番店になればいい」ということになります。
それには顧客の期待に応えられるよう、ブラッシュアップし続けて、より満足させる、より価値を与えられるお店にしていく必要があります。
その戦略としてひとつ例を挙げると、2021年1月より配膳ロボット「Servi」(サーヴィ)を導入しました。人件費削減のためかと思われがちですが、そうではありません。もちろん人件費削減の観点は重要ですが、それ以上にサービスにいかに付加価値を付けるかが重要です。
「焼肉きんぐ」では、お客様の席でお肉を焼いて差し上げる「焼肉ポリス」がいますが、配膳をロボットに任せた分、そちらにもっと時間かけたり、稼働を徹底できたりすることが一番の狙いとなります。「焼肉ポリス」によってお客様にはおいしい食べ方を知ってもらえますし、接する時間が増えることで人による付加価値を感じてもらえます。すると、味や価格だけでなく「あのスタッフがいるお店に行きたい」といった、心の価値の創出へと繋がります。地域一番店になるには、そうした積み重ねが重要だと思っています。
「なりたい自分」を目指すことで 切り拓く可能性と、未来

一緒に仕事をしたいと思う人はどのような人か、お聞かせ下さい。
また、これからの社会を担っていく若い方々へのメッセージもお願いします。
こんなふうに生きたいとか、こんな自分になりたいなとか、自分なりのビジョンを持っている人は美しいと思うし、魅力的になっていくのを応援したいと思いますね。また、仕事をする上でも、ただ単に働いて一日が終わるよりも、なりたい自分に近づけたと思って毎日働いた方が、人生楽しいと思います。そういった気持ちやパワーは、自然と周りにも伝わるはずです。一緒に仕事する仲間だけでなく、お客様にも伝わって、結果的に魅力的なお店作りにも繋がるのではと思います。
ですから、これからの社会を担っていく若い方々に一言伝えるとしたら、「少しでもなりたい自分を目指しましょう」という一点につきます。
「人生を自分の意思決定で切り拓く。誰かがどうしたいではなく自分がどうしたいか」を、生き方だけでなく仕事にも反映させることが、この社会をイキイキさせていくことに繋がると思います。自分の可能性にふたをせず、なりたい自分を目指してほしいですね。
社名・役職などはインタビュー当時のものです。
インタビュー:2020年12月